臨床心理士と精神科医の違いは、ばっさりひと言で表せば、薬を使える資格があるかどうかです。
心の問題の解決のために、精神科医は投薬することができます。
臨床心理士であれば、カウンセリングと心理テストに始まる心理療法を用います。心の問題を抱えたかたが自らその壁を乗り越えるためのサポートをするといった意味合いになるでしょう。
臨床心理学が取り組むトラブルは、多岐にわたります。不登校・非行・引きこもり・虐待・家庭内外暴力・うつ・ヒステリー・統合失調症・依存症・摂食障害・心身症
臨床心理学者は医師の資格ではありませんので、日本の医師法により、薬の処方は認められていません。
投薬によって治療することができない、ということは、逆にいえば、その患者さんをよく見てくわしく知り、その人に合った心理療法を行うことにもつながります。
その人の生まれ育った家庭環境や現在の家庭の状況、社会との関係性などをたくさんの情報を集め、その人の人格像までくっきりと思い描けるような深い目が必要です。
実際問題として、精神科医のほうが数が少ないので、1人1人の患者さんに対して割ける時間が限られます。
ですので、数の多い臨床心理士と精神科医が連携して治療と手厚いサポートをすることが効果的なのです。
臨床心理士の資格を取得するためには、大学院で臨床心理学を修めることが必要です。
心理学は一般的な認知度が上がってきていますので、臨床心理士の受験者数は増加傾向にあります。