カウンセリングの技術は、カウンセラーの人間性と無関係に考えることはできません。

たとえば人間を軽蔑している人は、相手の気持ちを本当に共感したり、受け入れることはできないでしょう。カウンセリングに限らず、人間関係でも、その人の人間性のうえにしか考えられません。


友達と付き合ったり、相談にのったりするとき、ある程度は自分の心を押し隠して、嫌いな人にお付き合いしたり、面白くもない話に相づちを打つことができるかもしれませんが、深い接触になってきたら、自分を偽ってはいられません。


すべての人間関係の技術は、人間に対して行われるので、どんなに工夫しても、必ずその人の人間性が反映されてしまいます。


劣等感や支配欲求の強いひとは、相手より優位に立とうとして、自分の力を誇示したり、逆に失敗を恐れて極端にひかえめになったりします。自我の強いカウンセラーは、相手を無理やり引きずっていく傾向にあって、逆に自我の弱い人は、受動的に流されたり、相手を甘やかすことになりやすいです。


なので、カウンセラーになろうとする人は、自分自身の問題を解決しなければいけません。